エコカー減税
12月に入り,「来年の税制改正の方向が固まる。」と、新聞に報じられています。その中には、自動車のエコカー減税を見直すことも盛り込まれているようです。自動車メーカー各社が、自動車の燃費向上に取り組んだ結果、現行車種のほとんどが何らかの燃費向上になっていることが背景にある、との新聞報道を読みました。つまり、より燃費の良い車に絞って、減税を継続する趣旨のようです。
エコタイヤの開発
さて、その自動車の燃費ですが、タイヤの性能も燃費の向上に向けた開発競争があるようです。これが「低燃費タイヤ」の開発です。低燃費タイヤとは、タイヤの転がり難さである「転がり抵抗」を低く抑えたもので、「日本自動車タイヤ協会」の基準を満たしたものをいうようです。
車のタイヤは、走行中は常に伸びたり縮んだりしており、その際に発生するのが「転がり抵抗」です。「転がり抵抗」は、車を動かすエネルギを消費し、車を走らせるエネルギーを無駄にしているのです。タイヤメーカーは、このタイヤが消費するエネルギーを押さえるために、熱の発生がしにくい素材の採用やタイヤの溝に工夫を凝らしたりして、抵抗の低いタイヤの開発をしています。
そこで考えられることは、タイヤの転がり抵抗を最小にすれば、さらに省エネが高まるのではないかということです。ところが世の中はよくしたもので、転がり抵抗が少なくなることで車は止まり難くなるのだそうです。したがって、タイヤメーカーは安全性と低燃費との両立を重視しているようです。物事には、常に表と裏があるということでしょう。
世の中の本来の姿
物事には常に裏と表があることについて、松下幸之助氏は「一見マイナスに見えることのなかにも、それなりのプラスの面が見いだせる。」そして、「それが、世の中の本当の姿だ。」と述べています。
「そして更に大事なことは、世の中のすべての物事が併せ持っているプラスの面とマイナスの面の内、常にプラスの面に目を向けていくことである。」と説いています。
これを人によっては、「プラス発想」や「前向きな姿勢」などと呼ぶのでしょう。しかし、振り返ってみれば、このような「プラス発想」ほど難しいものはないのではないでしょうか。人は、困難な場面や意図しない不利益な場面に会うと、悲観したり絶望的になるのが常のような気がします。どのようにすれば、「プラス発想」を発揮できるのでしょうか。この問いに対して、松下氏は「物事をありのままに見ることによって、得られる。」と述べています。